銀歯とセラミック、どちらにしようか迷っています
お気持ちよくわかります。費用を抑えるために銀歯にしようか、美しさを重視してセラミックにしようか迷いますよね。
歯科医師の立場上、「銀歯で治療したけど、やはり周囲からの印象が気になる。」という声もよくお聞きします。
銀歯のデメリットは見た目だけではなく、健康への悪影響も懸念されます。保険診療を選ぶときは、よく留意しましょう。
銀歯のデメリット
・虫歯
年数劣化により虫歯になる危険性があります。詰め物を外すと虫歯が広がっていた…ということもしばしばあります。
・金属アレルギー
先進国ではすでに問題化して対策が進んでいます。
・銀歯素材に有毒性がある
ひと昔前まではアマルガムという素材が使われていましたが、代わりの金属も使用可能です。気になる方は歯科にご相談ください。
・歯茎が黒く変色する危険性がある
銀歯の金属イオンの溶け出しが原因で歯茎が黒くなります(メタルタトゥー)。
やはりセラミック治療がいいですか?
保険診療も日々進化しています。銀歯の素材も研究されていますし、ここ10年ほどでレジンというプラスチック素材を保険内で利用できる範囲が広がってきています。
しかし美しさと機能性の面を考えると、やはり自費診療をおすすめします。セラミックは変色の心配がほとんどなく、汚れが付きづらく、美しく自然な人工歯に仕上がることが期待できます。
セラミック治療にはどんな種類がありますか?
セラミック治療には、全部セラミック、混合など、いろいろな種類があります。代表的なセラミック治療の特徴をご紹介します。
※セラミックとは陶器のことで、お皿の焼き物に使われているような硬くて美しい素材です。
・ハイブリッドセラミック
セラミックと合成樹脂(プラスチック)の利点を兼ね備えたハイブリッド素材。仕上がりが美しく、加工しやすく、値段もお手頃です。
デメリットは耐久性。他のセラミック治療より柔らかいので、奥歯にはあまり使いません。着色やしやすく、汚れも付きやすいです。
・オールセラミック
100%全てセラミック製。天然の歯以上の白さと透明感が持続します。変色が少なく、汚れも付きづらいです。見た目の審美性は一番優れているので、前歯の治療におすすめです。
デメリットは、金属と比べて強度が弱いこと。傷には強いのですが、負荷がかかって割れてしまうこともあるので、奥歯にはあまりおすすめしません。
・ジルコニアセラミック
ジルコニア(人工ダイヤモンド)とセラミックのハイブリッドです。ジルコニアを土台として、見える部分にセラミックを焼き付けた人工歯です。ダイヤモンド素材なので強度がかなり高く、インプラント後の奥歯などによく使われる治療法です。
高い技術が必要になるので、他のセラミックに比べて一番費用が高いです。
・陶材焼付鋳造冠、メタルボンド
金属とセラミックのハイブリッド。土台は金属で、外から見える部分にセラミックを焼き付けた人工歯です。銀歯の硬さと、セラミックの美しさを兼ね備えています。経年劣化や着色は少ないですが、内側は金属なので、オールセラミックよりは透明感がやや劣ります。
金属アレルギーや歯茎の黒ずみなど、基本的に銀歯と同じリスクがあることを覚えておきましょう。
セラミック治療とホワイトニングを両方したいのですが、どちらを先に行うのがよいですか?
色合わせのしやすさと仕上がりを考えますと、「まずホワイトニングを行い、セラミックが後」がおすすめです。
ホワイトニングで全体の歯をご希望の白さに仕上げた後に、その色に合わせたセラミックを入れる流れになります。
ホワイトニングを先に行う場合は、セラミックの色に合わせながら全体を白くしていきます。技術は年々進化していますが、完璧に色を合わせるのはやはり難しいです。(とはいえ、周囲人はわからないくらい、色にムラなくきれいに仕上がります)
まとめ
保険内診療は日々進化しており、依然と比べると見た目や安全面よく考えられた素材を使っています。しかし外見や健康を長い目で見て考えるなら、やはり自由診療がおすすめです。
特に女性や対人関係の職種の方は、歯の美しさは大切ですよね。
自由診療は長所、短所、費用など様々です。医師とよく相談して、納得のいく治療法をお選び下さい。