親知らずが気になる

親知らずとは何ですか?

親知らずは前歯から数えて8番目の、一番奥の歯のことです。

(専門用語で智歯(ちし)とも呼ばれることもありますが、一般的にあまりなじみは無い呼び方です。)

親知らずの名前の由来はいくつかありますが、以下2つが有力なようです。

・乳歯となる歯が無いので「親知らず」。

・親知らずは永久歯と比べて生えるのが遅く、15歳~20歳前後に生えるので、親の歯磨き仕上げが不要になってから生える歯=親知らずになった。

英語では「Wisdom tooth」と呼ばれ、物事の分別がつく年頃になってから生えてくる歯でと呼ばれています。

親知らずは誰でも生えるの?

親知らずは必ず生えるわけではありません。

硬いものを噛む機会が減り、あごが発達しなくなったので、最近の若い人は親知らずが生えない人が多いようです。

親知らずに困っている人からすれば、羨ましい限りですよね。

親知らずは抜いたほうがいいですか?

親知らずを抜いたほうがいいとよく聞きますが、実際のところはどうなのでしょう?

痛みや困った症状が無い場合、親知らずを放置することも多いと思います。

抜歯は口腔外科手術の分野になるため、「大掛かりで怖い」という印象がありますから、できれば避けたい気持ちもよくわかります。(親知らずを抜く時の機材が怖くて、当日にキャンセルをしたお客様もいました)

ブリッジや再生治療に役立つなどメリットもありますが、私としては抜歯をお勧めします。

親知らずをそのままにすると、次のような心配があります。

・一番奥に生える歯なので歯磨きしづらく、虫歯リスクが高まる。

・隣の歯まで虫歯や歯肉炎にしてしまうことがある。

(曲がって生えていたり、歯茎の中に埋まっていたりする場合特に注意!)

・歯周病の原因になる。(歯周病は全身の病気にも影響を及ぼす恐ろしい病気です)

・噛み合わせの悪化。

このように、口内環境を整えるためには、親知らずは抜いた方が好ましいと思います。

親知らずを抜かなくていいのはどんな時?

以下の場合は大丈夫、急いで抜歯をしないで経過観察をしても問題はありません。

・まっすぐに生えていて上下のかみ合わせが良い

・歯磨きなど虫歯予防がきちんとできている

ただし、見えなくても歯茎の中に親知らずが埋まっていることがあるので注意が必要です。親知らずの治療をした方がいいかどうかは、一度歯科で口腔内を確認して、医師と相談することをおすすめします。

親知らずを残しておくと、どんないいことがありますか?

親知らずを残しておくと、次のようなメリットがあります。どんな目的にせよ、健康な状態で残しておくことが大切です。

・ブリッジの土台

・入れ歯の金具をかけることができる

・奥歯の再生医療に使える

親知らずが虫歯になってしまいました

通常通り治療可能ですが、一番奥にある歯なので治療しづらく、少し苦しい思いをするかもしれません。

歯磨きがしづらい場所に生えているので、一度罹患すると繰り返しやすいのが困りものです。気が進まないかもしれませんが、やはり抜歯処置がおすすめです。

抜歯の後、痛みはどれくらい続きますか?

抜歯後の痛みはおおむね1週間程度で治まることが多いです。痛みや腫れ、口が開かないなどの症状が1週間以上続く場合は、受診してください。油断すると傷口から神経や骨に菌が入ってしまうことがあります。(親知らずが横向きに埋まっている場合には特に注意が必要です。)

悪い場合だと下あご神経の麻痺などが起こることがありまので、難しい生え方をしている親知らずの場合は、歯科口腔外科にて口腔外科専門医に抜歯治療をしてもらいましょう。

妊娠中ですが、親知らずが痛みます

局所麻酔自体は母体に影響はありませんが、痛み止め、炎症止めなど薬の影響は考えられます。

可能ならば妊娠中は親知らずの治療は避けたいところですが、どうしてもの場合は安定期に入ってからがよいかと思います。