歯が無い

歯が抜けてしまいましたが、特別困っていません。忙しいので放っておいてもいいですか?

いいえ、よろしくありません。
差し当たって困っていなくても、歯並びやかみ合わせが崩れたり肩こりがひどくなったりするので放置してはいけない状況です。歯が抜けた場合に限らず、入れ歯があるのに使用しないのもよくありません。

また、歯が無くなってしまった方のお悩み、コンプレックスとしてこんな話をよく聞きます。

「仕事の商談や面接で、歯が無い部分が相手に見えてしまうとイメージが悪くなるのではないか…」

「会話や食事の時に見えてしまうと、何か言われるんじゃないかと心配してしまう…」

気持ちの面でも十分に影響を受けますが、歯が抜けたままの状態でいるとお口や身体の健康も害してしまいます。

具体的にはどんなことが起こりますか?

噛み合わせの不具合
歯が抜けた部分に、噛み合わせの対になった歯が伸びて出てきてしまいます。

歯並びの崩れ
近くに生えている両隣の歯が、空いた部分に倒れこんで移動してしまいます。

抜けてしまった歯の機能を補うために、他の歯が空いた空間に寄ってきてしまいます。口の中の写真・レントゲン写真(エックス線写真)で長期間経過確認するとわかるのですが、自覚症状が無くても徐々にかみ合わせが悪くなってきます。

繁忙期が過ぎたら通院し、矯正治療を利用するつもりなのですが…

歯が抜けて時間がたつと、口全体の歯並びやかみ合わせが悪化している可能性が高いので、できる限り早く通院して処置することをおすすめします。

一度崩れてしまった歯並びやかみ合わせは矯正治療をもっても簡単には治りません。時間も費用もかかってしまいます。

抜けた歯に汚れがたまり、歯周病になってしまったら、治療は困難です。健康寿命にも関わります。

入れ歯も同様です。口内環境が崩れる前にできる限り早く受診しましょう。

歯が抜けると一気に老け込んでしまうって本当ですか?

はい、本当です。見た目も身体機能的にも、加齢が進むのに似た状態といえます。具体的にあげますと、…

・歯が抜けると、頬がこけたり、皮膚がたるんだりして口の周りにしわが目立つようになり、老けた印象になります。

・食事が摂りづらくなり、食への関心が薄れて食べる量が減る。

・歯の隙間から空気が漏れて発音が悪くなり、思うように喋れなくなる。(空気がもれる異音がして恥ずかしい気持ちになることも。)

見た目も身体もいつまでも健康で若々しくいるためにも、歯が抜けてしまったときには早めの処置が必要です。

歯が無くなってしまった場合の治療方法を教えてください

歯が無くなってしまった場合の治療は、入れ歯、ブリッジ、インプラントの3種類があります。それぞれの特徴を見ていきましょう。

入れ歯 ブリッジ インプラント
概要 取り外し可能な治療法 失った歯の両隣の歯を削って、冠を被せる治療法 歯を失った顎の骨に人工歯根(根っこ)を埋め込み、歯を被せる治療法
メリット
  • 早期から費用が安価にできる(保険治療でも可能)
  • 治療期間が短い
  • 噛み心地は良い
  • 保険適用(保険治療)も可能
  • 違和感は少ない
  • 白くきれいにすることも可能(その場合は、セラミックとなるため、保険適用外)
  • 治療期間が短い
  • しっかり噛める感覚が取り戻せる
  • 1本で固定できるため、周囲の歯への負担がかからない
  • 見た目に天然歯と遜色ない美しさが実現する(審美性が高い)
  • 他の残存歯に余計な負担がかからないため、ほかの天然歯が長持ちするので、結果として健康寿命が伸びる
デメリット
  • 違和感、異物感があり、慣れるまで時間がかかる
  • 次第に合わなくなってくるため調整が必要
  • 天然歯の3分の1くらいでしか噛めない ・見た目が入れ歯と分かりやすい
  • 食事が難しい
  • 金属のバネが気になる
  • 両隣がきれいで健康な歯であっても大きく削ることが必要。その場合に、神経が近い場合は抜髄治療(根管治療)が必要になる場合がある。
  • 支えとする歯に大きな力(負担)をかけるため、歯の寿命が短くなり、いずれ失うことになる可能性が高い
  • 両隣に歯があることが必要
  • 食いしばり、歯ぎしりのある方は、特に寿命が縮まりやすい
  • 自費診療(自由診療)となり、治療費が掛かる
  • 治療期間が長い
  • インプラント治療は、土台などを設置する外科手術(インプラント手術)が必要なため、骨粗しょう症など慢性疾患などの病気を理由に治療が受けられないことがある
  • 元々のあごの骨がなくて、神経までの距離が足りない場合では、出来ないことがある
補足
  • 自費治療と保険治療の種類があります
  • 入れ歯の床部分がチタンの金属床やプラスチックなど様々な素材があります
  • 上顎(上あご)欠損、もしくは上下全顎欠損の症例の方も対応可能です
  • 自費治療と保険治療の種類があります
  • 両隣の歯は、表面のエナメル質だけではなく、その下の象牙質も削ります。
  • 当院では歯を削らなくて済む接着性ブリッジは行っておりません
  • 自費治療のみで、保険対応外となります
  • 治療後には痛みを抑えるお薬を服用いただきます
  • 上下欠損、もしくは上下全顎欠損の症例の方も対応可能です


このようにそれぞれ長所と短所がありますが、どの治療方法でも、メンテナンスが必要となります。

それぞれ人工物ですから虫歯になりにくいような気もしますが、そうではありません
しっかりとメンテナンスし続けないとひどい炎症を起こして、歯周炎を起こしたり、健康な歯ぐきやあごを悪くしまったりすることがあります。(インプラント周囲炎など)。

どんな治療方法が一番いいですか?

口の中の状態や症状、健康状態によって治療が異なるので、一概には言えません。
レントゲン写真やCTなどの検査で適切に診断をして、患者様のご希望に合わせてお話させていただきます。質の高い治療を受けていただけるよう、治療計画と内容のご説明を丁寧にいたします。

自費治療の治療費を心配なさる方もいるかと思いますが、医療費控除が適応される場合があります。
(控除額は収入などによって変わりますので、詳しくは各自治体の窓口にお問い合わせください。)
まずは一度歯科医院に来院し、ご相談ください。

※来院の際は、保険証(会社で入っているものや、国民健康保険など)を忘れずにお持ち下さい。

インプラントについて

動画解説をご覧ください。

※治療法については、専門ページをご覧ください。